短編音楽小説#80 DRG – My soul is calling
音楽には、困難な時を支え、道を示してくれる力がある。
ある日、不意に訪れた転機が新たな始まりを告げた。ともに音楽を作る仲間と再び出会い、曲作りが始まったのだ。 制作は遠く離れた場所でも可能だった。メッセージを送り合い、少しずつ音楽が形になっていく。その過程で、自分自身と向き合う瞬間が訪れた。
迷いや苦しみ、そして未来への不安――それらは音楽の中で昇華されていった。
暗闇の中で自分の心の声に耳を澄ませるような感覚だった。
誰にでも、自分の中の本当の声を見つける瞬間があるのかもしれない。それは時に困難に直面する時に顕れる。
「魂の声」は、自分が進むべき道を示してくれる羅針盤だ。 この先に何が待ち受けているのかは誰にも分からない。だが、たとえ困難が訪れたとしても、この曲を歌い続けることで、自分の心の奥底にある力を思い出せる。
20年は前のことだが、これからインターネットというものが普及して、どれだけ遠く離れても音楽ができると話していた。その時に、また音楽をしよう。そういう話を友だちとしていた。それから20年が過ぎて、僕はひとりで小説をたくさん書いたが、音楽、そして友だちへの想いは僕の小説の中に顕れていた。
ふたたび友だちとバンドをする。
ひょっとすると、それが僕が望んでいたひとつの夢なのかもしれない。