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短編音楽小説#50 SUPERCAR / STORYWRITER

天に自分を開いた。落ちこんでどうしようもなかった時。罰を受けたと感じた時。僕は生まれてきたことを呪った。でも、それは自分の何かが間違っていたからだ。心の中ではそのことに気づいていたけれど、生意気にもその心の声を無視していた。

心、開く。

天に心を開いた瞬間、何かが違った。それまで押し込められていた感情、疑念、暗闇が薄れ、心の内部に隠れていた声が耳に届くようになった。この声はただの音ではなかった。心の底から湧き上がるギターの響きと鼓動するドラム、それに美しく絡むベースライン。ギターの色は黒、まるで僕がずっと持っていた内面の闇を映し出しているようだった。その音楽は空に向かって飛翔しはじめていた。ただ音楽だけではなく、言葉も翼を広げていた。

天の声を聴いた。それはまるで上空から降り注ぐ一種の啓示だった。天にはまさしくストーリーライターがいて、僕たちの人生、我々自身の物語を書き綴っているようだ。その言葉に触れた瞬間、光を感じた。それはたとえようもない明るさで、突如として未来が開かれたように感じた。

長い間、愛を求めて彷徨っていた人生の前半。無数の選択と間違い、そこから生まれた数え切れないほどの痛みと失望。しかし、それら全てがこの瞬間のためにあったと気づいた。初めて、真に愛と呼べる何かに出会った。愛が光となり、未来を切り開いていく。物語が今、動き出す。

後半が始まる。それまでの過ちや失敗、そして困難は、これから織り成す新たな物語、新たな人生の糧となる。これまで積み重ねてきた全てが、これからの舞台で一層深みと色彩を増していく。痛みも、喜びも、全てが新しい旋律を奏で、より美しい言葉を生む。

ここからが、僕の物語が真に響き始める瞬間だ。光が射して、未来を裂いて、新たなメロディが天から降り注ぐ。

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