短編音楽小説#47 Aphex Twin – Girl / Boy Song
私たちがまだ子どもだった頃、少年と少女の姿をしていた時。美の本質が何であるかは、まだ掴みきれていなかった。行動は未熟で、心の中の混乱が言動に表れることもあった。意味などどこにもない、ただ思いつくままに生きる、それが私たちの真実だった。
時折、守るべき自我のために他人を傷つけるような言葉を口にし、そこにはやさしさもあったのかもしれないが、その記憶は今となっては薄れている。誰かを好きだという感情も、その言葉に名前をつけることができなかった。未来の自分が何者になるのか、理解するとはどういうことなのか、正しい道徳とは何なのか、すべてが曖昧で、一体何が人生なのか、その答えを探し続けた。
しかし、その全てを諦め、ただ楽しむことに没頭した。そして、静かな夜には哲学的な思考に耽り、死への恐怖に心を揺さぶられた。だが、朝が来ればそれらを忘れ、繰り返される朝食の不満を口にする。気分に流され、反抗し、それでも心の内部は繊細だ。
友だちに対して本当の友情を求めたりするし、それが本当に大切だとわかっているはずなのに、二度とあわなくなったりする。本当に少年や少女は、理不尽だ。
そう、私たちはそれぞれの道を歩み、何度も別れを告げた。少年と少女の成長には、時には助けが必要だった。その純粋さ、その可愛らしさは、大勢の大人たちに愛され、支えられてきた。そして、その助けられてきたことを理解するのは時間が経ってからだった。
無敵のように振る舞い、好奇心を満たし、本当に怖いものに遭遇したときには悲鳴をあげる。そして、何気ない遊びに夜が更け、疲れ果てて眠りにつく。傷つきやすい心を持ち、誰かを好きになることに困惑した。そう、我々はみんなかつてはそのような少年と少女だった。
それは、ある種、美しい。凶暴さと美しさを合わせ持つこの曲のように。私たちがかつて子どもだったあの日々。