短編音楽小説#44 TWO LANES – Another Time (ft. Kwesi)
いつかどこかに人生のふさわしい場所があるかもしれないと思っていた。それはどんな場所かはわからない。けれど、そこは僕自身のための場所だ。昔、本を読んでいた時に感じた幸福が存在し、そこに君が待っている。祭りの後に家に帰るみたいに、その場所に帰る。
僕のために。僕のために。
一体、そんなことがあり得るのだろうか?泣きながら生まれ、苦悩を抱えて生きてきた。でも、もし生まれた瞬間に神様が幸せを約束してくれたのだとしたら、自分だけの場所へと辿り着く日がくる。その場所は一体、どこにあるのだろう?
静寂が広がる中、突然思い浮かぶイメージ。どこか遠くの、自分だけの場所が待っていて、そこで深く眠りにつく。
その場所は安らぎで満たされている。戦いは終わり、安息が訪れている。
子どものように眠る。安心して眠ることができるのは子どもだけではない。大人も同じだ。
すべての戦いはいつか終わる。
眠るためには睡眠薬が必要だ。
しかし、その薬を捨てて、静かに眠る。あなたと共に。
自分だけの場所にたどり着けたその日、もう一度、あなたに「愛している」と伝える。
あなたがいなければ、その場所は存在しないから。
いつか、全ての人が自分だけの場所を見つけることができたらどんなに素晴らしいだろう。
自分だけの場所。長い旅路の果てには、いつかまたあなたが微笑んでくれる。