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ブランドの秘密

1980年代のバブル崩壊前の話だけれど、大阪の日本橋でビデオデッキを買うということがあった。
家のオーディオを購入した時にいろんな製品をみてまわっていて、メーカーによって違いがないことにがっかりしていた。
その時に、結局、古いオーディオが音は良いという結論に達した。
ビデオならその頃は機能的にも見劣りした中国製でもいいと判断していた。
最低限の機能があれば、問題は価格だと考えたわけだ。

この話だけでいろんなことがわかる。
1980年代の時点では、古いものに価値があったということ。
日本のメーカーは横並びで製品差異がなかったこと。
結果として製品差異はあるが、安い中国製で十分だと考えたこと。
(高校生の僕はそう判断した)

2010年も終わろうとしているけれど、1980年代の高校生の選択が2010年代では当たり前になっている。
価格が安ければ中国製でも構わない。
日本のメーカーはアイデンティティの問題やイノベーションのジレンマに陥っている。
そして古いものが本当にいいのか?
今ではIT革命後の世界で、アップルという選択肢がある。

何が言いたいかというと、ただ買い物をするだけでも人はいろんな価値基準でものごとを選択し、そしてその選択が未来を言い当てているかもしれないということです。

ここに人間の直感というものの真実があります。

高校生の時の僕にはまだ何もわかっていなかった。
純粋に買い物をする時に、何を判断基準にすればよいかもわかっていなかった。今だから、その時の判断を言語化できるだけだ。
当時のメディアはジャパン・アズ・ナンバーワンなんて言って、自分の国の好景気に酔いしれていたけれど、
その頃には、当時は知らなかったけれど、Think DifferentというコピーでMacintoshが登場していた。

何を考えて製品を作るのか?
どうすればよいのか?
自らオリジナリティやアイデンティティを獲得しようとせずに、ブランドなんてできるわけがない。
オリジナルであること。
ココ・シャネルの人生とか、スティーブ・ジョブズの人生とか、伝説になった人の人生には、古い価値観を変更し、新しい恩恵を社会に与えた人の功績、まさにイノベーションを起こしたからこその価値というものがあります。それがブランドだと思う。
歴史に影響を与えるようなことができて、はじめてブランドになる。
それでもまだスーツを着て、商品を売ることだけを考えますか?