短編音楽小説#81 DRG -U
冬が終わり、また春が巡ってきた。毎年のことなのに、冬の寒さは年々堪えるようになっている。だからこそ、春の風が部屋に吹き込んできた朝、新しいメロディがまるで生まれ変わったように心の中に浮かび上がった。
昔の僕は、陰鬱な夜のほうが好きだった。静かで暗い夜が、心の奥深くを覗くのにぴったりだと感じていたから。でも、今朝の春の陽射しはそれを覆すほど素敵で、僕はふと「洗濯物でも干そうかな」と呟いていた。
新品のランニングシューズを履いて、町へと走り出す。鼻をかすめる空気の中に、どこを切り取っても生命が新しく循環していることが感じられた。冬の間に固くこわばった筋肉も、春の陽射しに誘われるように柔らかくなり、僕は軽快に走ることができた。春は生命にとって、再生の時期なんだと改めて感じる。
けれども、僕はその美しさの中でも現実を理解している。春がやってきたからといって、人生のすべてが簡単に好転するわけじゃない。結局、自分は何者でもないことを知り、それでも何かを成し遂げたいと願っているだけだ。
あと何回、この季節の移り変わりをあなたと一緒に感じられるのだろうか。
昔は、「歳をとったらさっさと人生なんて終わってしまえばいい」なんて、生意気なことを思っていたけれど、それでも人生は続いていく。
あなたと過ごしてきた日々が、僕の人生観を変えてしまった。
今の僕は、このままあなたと生きていきたいと思っている。どれだけ年齢を重ねても。
だから残りの人生は、僕にとってあなたのためにあるようなものだ。
そんな春に生まれた、僕の再生の歌だ。
(現在この曲はデモバージョンです)