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短編音楽小説 #90 DRG WALK

みんなが幸せになれる世界。そういう世界があるものだと子どもの頃は思っていた。子どもの頃は楽しかった。友だちができてからは。
すべての人間が昔、子どもだった。喧嘩もしたりしたこともあるけれど、あの時代を忘れない。
すべての人間が友だちだった。未だ見知らぬ人も、どこかで幸せになって欲しいという気持ちがあった。
子どもというのは純粋だ。その純粋さを忘れさせようと社会は仕掛けてくる。
でもいつも仲間がいた。そういう仕掛けを見抜き、教えてくれる人たちがいた。
悪意のある嘘にはひっかかりたくない。美しい愛だけ世界に残ってほしい。そして誰かを傷つけようとするものも、その人自体に罪はなく、誰かから受けた傷を誰かを傷つけることによって、癒そうとしているにすぎないと信じたい。
羊たちは盲目ではなく、羊のふりをしている。
本当は怒っているし、泣いている。
子どもの時には友だちだったのに。
もし子どものような純粋さが残っているなら、友だちになれるのに。
今、少年である君には理解できないことが沢山あり、この世の中には未だ悪意が存在する。
そういう悪から守ってあげたい。
そしてそういう悪にならないように導きたい。
すべての美しいものは音楽の中にあり、ひょっとすると言葉は音楽ほど美しくないかもしれない。
でも、僕は美しい音楽にあわせて詩を書きたい。
それはひとりではないということだから。

ひとりぼっちな君へ。友だちを作るんだ。
悲しい世界を変えてみよう。
そして世界を変えられると信じるんだ。