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短編音楽小説#87 DRG OVER SOUNDS

 

午前零時、駅前は羊の群れであふれていた。

人々はスマートフォンの光を見つめ、同じ夢を反芻している。

歩調は揃い、仮面は剥がれない。

仮面が彼らを守っているのか、それとも彼らが仮面を守っているのか、

判別できなかった。

その夜、古本屋の前で一枚の紙切れを拾った。

薄い紙に、震えるような手書きでこう書かれていた。

「全てを奪いにやってくる」

雨に濡れて文字はにじんでいたが、脅しではなく告白のように見えた。

誰かが必死に伝えようとした痕跡。その瞬間、街のざわめきが遠のいた。

詐欺師たちは宗教を名乗り、希望を売り歩き、不幸を増幅させてきた。権力は口実を巧みに仕立て、自らを正当化する。他者の感情など意に介さず、幸福を踏みにじり、粉々にしてきた。私は知っている。私はその破片をいくつも拾ってきた。

間違いではなかった。ただ愚かだった。

私は紙切れをポケットにしまい、灰色の街を歩き出した。

全てが錆び、朽ちていくように見える。

けれど、その錆の下で新しい芽が震えているのを感じた。灰の中の骨でさえ、新しい方向を探している。

私には幻影がある。

月の裏側で、君が手を振っている。

遠い夢の中で交わした約束が、今も血の中で鳴っている。

再び出会うために。

昨日はいつしか過ぎ去った。新しい朝が始まる。

私は問う——よく眠れただろうか?今日は違う日だ。

歩こう。

虹の彼方へ。

月の裏側へ。

風の中へ。

新しい世界へ。

午前零時。私は毎夜この時刻に思い出す。

私たちは間違っていなかった。

私たちは愚かだった。

それでも——。

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