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Hey Siri.朝にして!

家ではHomePod miniを何台か使用している。
ある日「Hey Siri.朝にして!」と頼んだら、朝になり「Hey Siri.2時間進めて」と言ったら2時間、時間が進んだ。
僕は、あれ?と思った。
いくらAIが万能だからって、地動説のように太陽は天空で動いているわけではないし、地球は球体だ。
地球は回転しているから太陽がまわってみえるのだ。
たかだかAIに自転をコントロールできるわけがない。
そう考えはじめると、だんだん思考がクリアになってきて僕は目を覚ました。

時刻は1時28分。
まだ眠ったばかりだった。
僕は急いでスマートフォンを探し、”Siri 自転”で検索をかけた。
夢だったんだと思い、僕はもう一度眠った。
昨夜のことである。

朝、起きると昨日の検索履歴が残っていて、夢の中の僕は結構馬鹿だなと思った。
そう。夢の中ではある種類の前提というものがおかしくなっていて、地球の自転や太陽の公転といった自然科学が通用しない。

小説を書かなくなってから、結構、夢をみることが増えた。
リアルな明晰夢や、20代のバンドマンに戻って、世界がコラージュされていて、僕はこういう夢を無意識に抱えているのかと驚かされることばかりだ。
ある日の夢では、僕は最強の人形使いで、最愛の人形が最強の人形として人間になり、そして僕の妻になるという夢をみた。
僕の無意識ではいったい何が起きているのだろう?

妻のことを人形と思ったことはないし、いつもお互い、にゃーにゃー言いながら暮らしているだけだ。
でも夢の中では、妻は命を持たない最強の人形だった。
まるで僕が妻をコントロールしているようだ。
そんなことはぜんぜんないのに。
でも面白い夢だった。

夢は一本の映画のようだ。太陽を動かしたり、人形使いになったり、わりと忙しい。
でもそれは小説を書かなくなったから、その代償として生まれているものなのかもしれない。
生活の中に、何かが欠けていて、その欠けている何かが、夢として顕れるのかもしれない。

僕はお金はないけれど、幸せだなと思って生きている。
満ち足りているわけではないけれど、日曜日の夜なんかには僕は月曜も休みなんだと思って、
ぐっすり夢をみている。

隣では妻が仕事の夢しかみないと愚痴っている。

夢の中は現実とは違う。そういうファンタジーやSFが入り混じった世界で、僕は生きている。
あくまで眠っている時はという話だが。

お金と時間ができたら、何か書きたいなと思う。
夢のように自由自在というわけにはいかない。文章の中には、制約も多い。
でも、ひょっとすると僕の精神は新たな物語を求め始めているのかもしれない。